雑所得の確定申告とは?計算方法と令和4年以降の注意点を解説

- 雑所得とは、利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時のどれにも当てはまらない所得のこと。
- 雑所得は総合課税で、給与など他の所得と合算して税額が決まる。
- 給与所得者は、副業などの所得が20万円を超えると原則として所得税の確定申告が必要。
- 公的年金等は雑所得に含まれ、年金収入400万円以下で他の所得20万円以下なら申告不要の制度がある。
- 雑所得では青色申告は使えず、白色申告になる。
雑所得の確定申告の結論

雑所得は総合課税の対象で、給与など他の所得と合算して税額を計算する所得です。
国税庁は雑所得を「9種類のどの所得にも当てはまらない所得」と定義しています。例として公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る原稿料やシェアリングエコノミーの収入を挙げています。
正直に言うと、副業者が一番つまずくのは「いくらから申告がいるのか」です。給与所得がある人は20万円という線引きが目安になります。ここは後で詳しく書きます。
対象税目
雑所得の確定申告で関係する税目は、所得税(復興特別所得税を含む)と住民税です。

雑所得は総合課税なので、給与所得や事業所得などと合算した上で所得税が計算されます。これは国税庁「No.1500 雑所得」でも明記されている通りです。
住民税は所得税の確定申告をすれば連動して計算されます。ただし、所得税で申告不要(給与所得者の20万円以下など)になっても、住民税は別途申告が必要になる場合があります。ここは見落としやすいので注意してください。
概要
雑所得とは、10種類ある所得区分のうち、ほかの9種に当てはまらないものをまとめた区分です。
雑所得の定義とは
利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時。この9つのどれにも入らない所得が雑所得です。
つまり「あまり物入れ」のような区分です。だからこそ範囲が広く、副業の多くがここに入ってきます。
事業所得との違い
事業所得は反復・継続して独立した事業として行うもの、雑所得はそこまでの規模・継続性がないものという整理になります。
実務で言うと、この線引きは非常に曖昧です。同じ副業でも、規模や帳簿の有無で判断が分かれます。後述の令和4年分以後の取り扱いで、ひとつの目安が示されました。
一時所得との違い
一時所得は懸賞の当選金や生命保険の一時金など、営利目的でない一時的な所得です。継続して稼ぐ副業収入は一時所得ではなく雑所得になります。
公的年金なども雑所得
国民年金や厚生年金などの公的年金等も雑所得に含まれます。これは国税庁「雑所得とは」でも明記されています。
所得の計算方法

雑所得の金額は、収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
ただし、雑所得は中身によって計算方法が分かれます。大きく分けて「公的年金等」「業務に係るもの(副業など)」「その他」の3つです。
| 種類 | 主な例 | 計算の基本 |
|---|---|---|
| 公的年金等 | 国民年金・厚生年金など | 収入金額-公的年金等控除額 |
| 業務に係るもの | 副業の原稿料・講演料・ネット販売など | 総収入金額-必要経費 |
| その他 | 非営業用貸金の利子など | 収入金額-必要経費 |
副業の場合、収入を得るために使った費用は必要経費にできます。たとえば原稿を書くための資料代、ネット販売の仕入れや送料などです。
私が自分の副業ライター収入を申告するときも、取材の交通費や書籍代を経費に計上しています。領収書は1年分まとめて保管しておくと申告のときに楽です。
経費の計上による税制メリット
必要経費を正しく計上すると、その分だけ雑所得の金額が下がり、税負担も軽くなります。
ただし青色申告特別控除は使えません。経費の積み上げが節税の中心になる、というのが雑所得の現実です。
税額の計算方法
雑所得は他の所得と合算した課税所得に、所得税の累進税率を掛けて税額を計算します。

雑所得単独で税率が決まるわけではありません。給与所得などと合算した課税所得全体に対して税率がかかります。これが総合課税の意味です。
だから「副業で20万円稼いだら税金はいくら?」という質問には一律では答えられません。本業の所得が多い人ほど、追加分にかかる税率も高くなります。
所得税の源泉徴収
原稿料や講演料などの一部の雑所得は、支払時に所得税が源泉徴収されている場合があります。
国税庁「雑所得とは」では、著述家や作家以外の人が受ける原稿料・印税・講演料・放送謝金などが雑所得に該当すると説明されています。これらは支払時に源泉徴収されることがあります。
源泉徴収された税額は、確定申告で精算します。支払調書や明細で源泉徴収額を確認し、申告書に記載すれば、納めすぎた分は還付されることもあります。
令和4年分以後の業務に係る雑所得

令和4年分以後、業務に係る雑所得は、前々年の収入金額に応じて記帳や書類の保存などの取り扱いが変わります。
検索結果で確認できる範囲では、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円超の場合に、確定申告書以外の書類(収支内訳書など)の添付が必要になる旨が示されています。
私の実感では、ここは副業者にとって地味に重要な改正です。雑所得でも「帳簿を付けておくこと」がより求められる流れになっています。金額の基準は申告前に必ず国税庁の最新情報で確認してください。
注意事項
雑所得で確定申告する場合、青色申告は使えず白色申告になる点が最大の注意点です。

事業所得なら使える青色申告特別控除や赤字の損益通算が、雑所得では原則できません。副業が育ってきたら、事業所得への切り替えを検討する価値があります。
もうひとつ。所得税が申告不要でも住民税の申告が必要なケースがあります。「20万円以下だから何もしなくていい」と思い込むのは危険です。
いくらから確定申告が必要になる?
判定は、給与所得があるかどうかで変わります。
| 状況 | 申告が不要になる目安 |
|---|---|
| 年末調整済みの給与所得がある | 給与以外の所得の合計が20万円以下なら原則不要 |
| 給与所得がない | 基礎控除など各種控除を超える所得があれば申告が必要 |
| 公的年金等の受給者 | 年金収入400万円以下かつ他の所得20万円以下なら不要 |
20万円や400万円といった数字は所得税の話です。住民税には20万円ルールがないため、別途申告が要る場合があります。金額の基準は国税庁の最新ページで再確認してください。
根拠法令等
雑所得の基本的な定義と課税の仕組みは、国税庁の公式タックスアンサーで確認できます。
雑所得の定義・総合課税の扱い・具体例は「No.1500 雑所得」に、原稿料や講演料などの具体例は「雑所得とは」に記載があります。一次情報で必ず裏取りするのが安全です。
関連リンク

雑所得の申告で迷ったら、定義の確認と具体例の確認をセットで行うのがおすすめです。
以下のページは申告前に一度目を通しておくと、自分の収入がどの区分に当たるか判断しやすくなります。
関連コード
雑所得の中心となる国税庁の解説コードは「No.1500」です。

このコード番号で検索すると、最新の雑所得の解説ページにたどり着けます。年分が変わると控除額などが更新されるため、申告するその年の情報を見るようにしてください。
よくある質問
相談現場で実際によく聞かれる質問を、率直にまとめました。
よくある質問
最後にひとつだけ。「20万円以下だから何もしなくていい」と判断する前に、住民税の申告が要らないかを必ず確認してください。私が見てきた中で、ここを飛ばして後から指摘されるケースが一番多かったです。
