雑所得確定申告とは?計算方法から注意事項まで徹底解説

- 雑所得は利子・配当・事業・給与など9種のどれにも当てはまらない所得のこと。
- 雑所得は総合課税で、給与など他の所得と合算して累進税率で課税される。
- 給与所得者は給与以外の所得合計が20万円を超えると原則確定申告が必要。
- 雑所得だけの人は所得が基礎控除額(2024年分まで48万円、2025年分以後95万円)を超えると申告が必要。
- 公的年金等の収入が400万円以下などの条件を満たせば確定申告不要制度が使える。
雑所得確定申告の結論

雑所得の確定申告とは、9種類のどの所得にも当てはまらない所得を、他の所得と合算して申告する手続きです。
雑所得は利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得のいずれにも当たらない所得を指します。公的年金等、非営業用貸金の利子、副業の原稿料やシェアリングエコノミーの収入などが代表例です。
正直に言うと、副業者がいちばんつまずくのは「自分の副業は事業所得?雑所得?」という入り口です。そして次が「20万円ルール」の勘違い。ここを最初に押さえれば、申告の半分は終わったようなものです。
対象税目
雑所得の確定申告で関係する税目は、所得税(復興特別所得税を含む)です。

雑所得は所得税法上の所得区分のひとつで、申告して納めるのは所得税になります。住民税は所得税の申告内容が市区町村に連携され、別途課税されます。
私が事務所で見てきた範囲でも、副業者の相談はほぼ所得税の話に集約されます。まずは所得税の申告ができれば困りません。
概要
雑所得とは、所得税法が定める10種類の所得のうち、他の9種のどれにも分類されない所得のことです。
雑所得の定義とは
国税庁は、利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時のいずれにも当たらない所得を雑所得としています。いわば「最後の受け皿」です。
事業所得との違い
事業所得は反復・継続・独立して営む事業からの所得です。一方、片手間の副業や単発の収入は雑所得に区分されやすい。ここの線引きは収入規模や帳簿の有無で判断されます。
一時所得との違い
一時所得は懸賞や生命保険の満期金など、営利を目的としない一時的な所得です。継続的な副業収入は一時所得ではなく雑所得に入ります。
雑所得の主な3つのタイプ
雑所得は大きく3つに分けると整理しやすいです。表にまとめます。
| 分類 | 具体例 | 補足 |
|---|---|---|
| 公的年金など | 国民年金・厚生年金・企業年金 | 公的年金等控除がある |
| 副業など業務に係るもの | 原稿料・講演料・シェアリングエコノミー収入 | 会社員の副業の多くがここ |
| その他 | 非営業用貸金の利子・暗号資産の一部利益など | 上の2つに入らないもの |
会社員の副業でも、規模が大きく帳簿を備えて事業的に行っていれば事業所得になる場合があります。少額・単発なら雑所得という整理が現実的です。
所得の計算方法

雑所得の金額は「総収入金額 − 必要経費」で計算します。
副業の業務に係る雑所得なら、その収入を得るためにかかった費用を必要経費として差し引けます。たとえば原稿の取材費や、配信に使う機材費など。経費を漏れなく計上すると、課税される所得を圧縮できます。
公的年金等は計算方法が別です。年金収入から公的年金等控除を引いた残りが雑所得になります。
私が申告サポートで一番もったいないと感じるのは、経費を全く集計せず収入丸ごとを所得にしてしまうケースです。手間でも年内から集計しておくと、申告時に泣かずに済みます。
税額の計算方法
雑所得は総合課税のため、他の所得と合算した総所得金額に対し累進税率で税額を計算します。

つまり雑所得だけで税率が決まるわけではありません。給与所得が多い人ほど、上乗せされた雑所得部分の税負担も大きくなります。雑所得単独の固定税率は存在しません。
いくらから申告が必要かは立場で変わります。下に整理しました。
| 立場 | 基準 | 補足 |
|---|---|---|
| 給与所得がある人 | 給与以外の所得合計が20万円超 | 年末調整済みが前提 |
| 給与所得がない人 | 所得が基礎控除額を超える | 2024年分まで48万円/2025年分以後95万円 |
| 年金受給者 | 確定申告不要制度の条件外 | 下記の年金の章を参照 |
注意したいのは20万円ルール。雑所得が20万円以下でも、他の給与以外の所得と合算して20万円を超えれば申告対象になります。「副業1つだけで20万円以下だから不要」と早合点しないでください。
所得税の源泉徴収
原稿料や講演料、公的年金等の一部は、支払時に所得税が源泉徴収されている場合があります。
源泉徴収された税額は、確定申告で精算します。すでに引かれている分は申告書上で差し引かれ、納め過ぎなら還付されることもあります。支払調書や年金の源泉徴収票は必ず手元にそろえてください。
実務では、源泉徴収された金額を申告に書き忘れて損をする人が意外と多い。引かれた税金は「前払い」なので、書かないと取り戻せません。
令和4年分以後の業務に係る雑所得

業務に係る雑所得は、前々年分の収入金額が1,000万円を超える場合に追加書類の提出が必要です。
これは雑所得のうち「業務に係るもの」に限った要件です。副業の収入規模が大きくなってきた人は、2年前の収入を確認しておきましょう。
なお雑所得では青色申告はできません。扱いは白色申告で、通常は確定申告書の第一表・第二表を使います。青色の特別控除を狙うなら、そもそも事業所得に該当するかどうかの検討が先です。
注意事項
いちばんの注意点は、公的年金等には確定申告不要制度がある一方、副業の20万円ルールとは条件が別という点です。

公的年金等に係る確定申告不要制度
次の3つをすべて満たすと、所得税の確定申告は不要です。公的年金等の収入金額の合計が400万円以下、その全部が源泉徴収の対象、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下。
申告期限は当年の案内で必ず確認
申告時期や提出方法は国税庁の確定申告案内とe-Taxの案内に従います。期限は年によって変わるため、当年の国税庁ページで必ず確認してください。本記事では特定年の期限を断定しません。
根拠法令等
雑所得の取扱いは所得税法に定められ、具体的な計算や区分は国税庁のタックスアンサーで確認できます。
私が申告時に必ず開くのは、国税庁のタックスアンサーNo.1500です。区分の判断に迷ったときの最終確認はここに戻るのが確実です。
関連リンク

雑所得の判断と申告準備で役立つ参考ページをまとめます。
| 内容 | 発信元 |
|---|---|
| 雑所得の定義と計算 | 国税庁タックスアンサー |
| 副業の確定申告の全体像 | freee |
| 雑所得の基礎解説 | 弥生・三菱UFJ銀行 |
関連コード
雑所得を調べるときの主要なコードは、国税庁タックスアンサーのNo.1500「雑所得」です。

区分や計算で迷ったら、このコード番号で検索すると一次情報に最短でたどり着けます。私も相談を受けた際は、まずこの番号を口頭で伝えています。
よくある質問
読者から実際によく聞かれる3つに、結論から答えます。
よくある質問
最後に一言。雑所得で得をするコツは、難しい節税より「経費を漏らさない」「源泉徴収された税額を必ず書く」の2点です。今年の分から、領収書を仕事用フォルダに放り込む習慣だけ始めてください。
- 国税庁 タックスアンサー No.1500 雑所得
- 国税庁 タックスアンサー No.1500 雑所得
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー よくある質問(雑所得)
- 弥生 雑所得とは
- マネーフォワード 確定申告の基礎(雑所得)
- freee 副業の確定申告
- 三菱UFJ銀行 雑所得とは
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー よくある質問(雑所得)
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー よくある質問(年金等)
- 国税庁 タックスアンサー No.1500 雑所得
- フリーウェイ経理 雑所得の解説
- 国税庁 タックスアンサー No.1500 雑所得
- 国税庁 タックスアンサー No.1500 雑所得
- freee 副業の確定申告
- 弥生 雑所得とは
- マネーフォワード 確定申告の基礎(雑所得)
